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容量4kWなのに、最大発電量が4kWにならないのはなぜ?【第二回】

メーカーシミュレーションとの比較で、わが家のソーラーが正常に働いていることを知ったお父さん。しかし、お父さんの中には、まだまだ納得できない疑問があるようです。中でも最大の疑問は、「容量4kWなのに、最大発電量が2.9kWしかない」ということ。博士がその疑問に答えます。

えころさんのソーラーは容量4kWなのに、これまでの最大発電量が2.9kWということですね?

そうです。今日みたいな晴れた日のお昼近くがいちばん発電しますよね。それでもホラ、3kWも発電していないでしょ?

おっしゃるとおりです。
ソーラーの容量というのは公称最大出力を表していますが、実際には各種ロスが発生しますので、容量どおりに発電することはありません。一般的に、容量の70?80%ぐらいが実際の最大発電量といわれています。

70%?! 少ないですねぇ! ウチの場合なら、2.8kWってことですか?

そうなんです。このしくみを理解していただくために、まず容量(正確には定格容量)の定義についてご説明します。
太陽光発電のモジュールパネルの定格容量
(公称最大出力)の定義
JISC8918で規定する分光分布AM1.5、放射照度1000W/?u、モジュール温度25℃の設定条件で、1kWの発電能力のあるモジュールを公称最大出力1kWという。

な、な、なんですって、博士?

私、もうついていけないわ。パパ、あとはしっかり聞いておいてね。

聞きなれない言葉ばかりで申し訳ありません。
放射照度は光エネルギーの強さを表します。1000W/?uというのは、1?uあたり1000Wの日射があるという意味で、初夏から夏にかけての晴天日の12時ごろに記録する数値です。
モジュール温度は、パネル自体の温度のことです。このパネルの温度が25℃という条件下で、太陽光発電の公称最大出力を決めています。
最後に分光分布AMというのは、「太陽光の大気通過量」ですが、WEBで調べてもよくわからないと思います。光の波長により発電量が変わるので、基準となる光の波長を決めた指標という程度にお考えください。AM(エアマス)1.5は通常の使用状態に近い基準という意味です。この値にこだわる必要はありません。

う?ん、わかったようなわからないような・・・

要するに、定義は理想的な条件下での能力値であって、この能力を最大限に発揮できる日は1年のうちにほとんどない、ということです。

それで実際の発電量は70?80%になってしまう、と。そういうことですか?

実際は日照、温度条件だけでなく、温度ロスなどが重なって発電量が20?30%落ちるんです。 放射照度というのは、先ほどもご説明した初夏から夏にかけての1000W/?u程度というのが、1年を通じていちばん好条件なんですね。それも下のグラフからおわかりのとおり、お昼の12時ごろにようやく記録できる数値です。


これが曇りや雨の日になると、こんなに放射照度も変わってきます。


晴れの日と曇りの日を比べると、午前8時以降の放射照度が全然違うね。

逆に曇りでもこれだけの陽射しがあるわけね。それも意外だわ。

もうひとつ大きなロスの原因に「温度ロス」というものがあります。
公称最大出力ではモジュール温度を25℃としていますが、実は屋根の上に置いたモジュール(パネル)というのは、冬場でも昼間は25℃を超えることが多いんですよ。


冬でもですか?

ええ。真夏の昼間ですと70℃ぐらいまで上がることもあります。モジュール(パネル)温度が1℃上がれば、0.4?0.5%発電効率が下がりますので、真夏の昼間などはロスが大きくなります。季節にもよりますが、温度ロスだけで約10?20%発電効率が下がります。

だから真夏に発電量が落ちるのか。

パパ、前からフシギだったんだよね。

お日さまがギラギラ照ってる真夏ほど、たくさん発電するような気がするのにね。

それから、パワーコンディショナーで直流電流を交流電流に変換するときの変換ロス、接続点でのロス。これらが約10%あります。そしてパネル表面の汚れが原因のロスが約3%、電気抵抗などのロスが約2%などが考えられます。こうしたロスが合計で15%ぐらい発生するとお考えいただければ結構です。

なんだかんだでロスって生まれるのね。


最大発電量が4kWにならない理由、おわかりいただけましたか? おおざっぱな判断ですが、えころさんの場合、容量4kWの70%にあたる2.8kW程度発電していれば、想定された範囲ということです。

太陽光発電メーカーが開示している発電量の予測にはロスは含まれるんですか?

もちろん、それを考慮して計算していますよ。
詳しくは次回にご説明させて頂きます。
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